2011年11月08日

MINECRAFT

が楽しすぎる。

前から興味あったけど旧機じゃ動かなかったんだよ……。
公式のスクショからは思いもよらないくらい、パワーが要るんですよ。
特にメインメモリ。最低4Gとか言われてるし。(Javaなんだよね)
公式のテクスチャがショボいので、高解像度テクスチャに差し替えるとけっこう見違える。
WildHDてテクスチャがお気に入り。オーソドックスで美しい。
DokuCraftってのが人気らしいけど、現ver(1.8.1)には未対応。

箱庭系ゲーム、というのか。
……グラフィックがもろに“箱”だけど。
TerragenとかVueみたいな3D景観ソフトに(ローグ系の)RPG要素が入ってるような感覚もある。
物理シミュレートされた広大な3D空間を歩き回る。なんとなくUltimaXI思い出した。

まだβ版のせいなのか、いわゆるRPGな要素は少ない。
いちおう敵と戦闘してアイテム奪って経験値ためて、てなこともできるけど、コンフィグで敵を消すこともできるし。
NPCと会話してイベントしてストーリーが進んで、ってなことは一切ない。(たぶん)
MORPGみたいにサバ立ててマルチプレイもできるぽいけど。
(PvPとか、巨大な建造物を協力して作るとか)

タイトルが“MINECRAFT”ていうように、主眼は、採掘と建築にあるのかも。
素材を集めて、道具や建材を作って、整地したり建物作ったりと、マップを書き換えてく。
マップをじかに改変できるってのは、ローグ系の流儀だね。

元のマップは(数値指定もできるけど)基本、ランダム。
世界の広さは無限大……いや、正確には、こんぴーたの都合で最大40億マス四方なんだそうだけど。(座標を32bitで処理してるようだ)
高さのほうは128マス。真ん中に海面がくるので、地上と地下に64マス分。

ヨーロッパ製のゲームだけあって、長さの単位、というか見たまんまの単位キューブの大きさが1m立方というのがわかりやすくてありがたい。
ドアの大きさが1×2マスだと、幅1m高さ2mだとすぐわかる。
落下して即死する高さが23マス=23mてのもすごーーく納得できる。
ジャンプは1.5mとかね。

だから世界の広さは40億m四方。上下左右のつながったトーラス世界か、あるいは端っこいくとキャラが縁から奈落に落ちるのか。
現実の地球の直径が1300万mしかないので、だからって、MINECRAFTの中で地球を再現しようなんてプロジェクトやってる人もいるようで……なんだか『銀河ヒッチハイクガイド』の惑星演算装置を思い出させるよ……


ゲームを始めるまえにまずマップを作るんだけど、そのときにいくつかモードがあって、サバイバルモードってのが一番RPGぽい。
クリエイティブモードになると内容が一変する。
クリエイティブというとおり、マップをいじって建物作ったり、線路や回路の実験したりってのが主眼。
いちおう敵も出てくるけど自分は無敵状態。アイテムは最初から全て無尽蔵に揃ってる。
しかも空を自由に飛べるので上空からマップを一望できる。
キューブな画面といい、LEGOで遊んでる感覚。


線路。
レールをひいてトロッコを走らせることができる。持ちきれない素材を運んだり。
クリエイティブモードで、ジェットコースター作ってみたり。

回路。
レッドストーン回路てなギミックがあって。
レッドストーンて素材で地面に配線を描いて、何種類かのスイッチを組み合わせて、論理回路を設計できる。
鉄道や装置の制御が主眼だけど、根性で8bitCPU組んだって動画がYoutubeにあったような。
ANDとかXORとか、懐かしい……


遺跡。
たまに、遺跡が出てくる。
砂漠の真ん中に街の廃墟があったり。
地下に廃坑があってレールが敷かれてたり、チェストが放置されてたり。
……アレ、この世界って、ついさっき創造したばかりじゃなかったのっ!?(オムファロス理論てやつだな……)
NPCがいないんだよなあ。(verによっては出てくるのかな)


種。
最初に作られるマップはランダムだけど、ランダムシード値を指定することができる。
同じシード値を指定すれば同じ地形が生成される。
指定は数字だけど、文字でも強引に数字として解釈してくれる(文字コードかねえ)
自分のHNを入れてみる。
“FaoMao"で作られたマップに絶望した(つw`
(いわゆるハズレだよ!ランダムで出てきたら即作り直しの地形だよ!)
“faomao”だと、山と海と森と、て、あまりにオーソドックスなRPGな地形で、なにこのブリタニアかアレフガルトかヴァナディールは、てな。
スタート地点から水辺の多い平野が広がって動物がいっぱいいて、ちょっといけば海もあって、砂漠もあって、廃墟もあるって、バラエティ豊かでステキな地形だ。

ちなみに雪原の地形は見たことない……ペットにできるオオカミがいるらしいけど。

華猫 at 2011年11月08日 01:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム

2011年10月25日

[映画]野生の証明

むかーしTVでやってた予告篇がとにかく怖かった……きっとワタシの世代のトラウマCMの一つに違いない(他には、ヤク中ママとか、ブルークリスマスとか、エイリアン)

本篇初めて見たけど、……あれ、そんなに怖くないな。
今からすると無理あるよなーと急に現実に返ってしまって。
いやー昔は有り得たのかもしんないけど?
地方の有力者が土建屋も地元の警察も政治も牛耳ってて反対派は次々粛正してる、自衛隊にまで影響力持ってる、……云々って筋書きはどうなんだろう。リアリティがないようで、でも案外、今でもそんなもんかも知れないって気もする。
海外のギャングのハナシからすると、(この作中に出てくるような状況でも)まだまだ平和って気もするけど。

映画は70年代ぎりぎりの作か。まだ安保闘争の余熱が社会一般にあって、作中で、自衛隊が超法規的なコワイ集団て書かれてるのは、当時としてはアリガチな感情なのかね。今はかなり自衛隊が広報にチカラ入れてるから、市民感情も違ってるように思う。
実態はどうかわかんないけどぉ。昔はマジでクーデター考えてた連中もいたようだしぃ。


映画作品として、大作だし、面白い。初期の角川映画ならではの、無鉄砲なくらいのパワーもあるし。
いろんな要素詰め込みすぎてて、原作が最初から映画化前提に書かれたってわりにはストーリーの流れが散漫な気もするけど。
それに救いようのないバッドエンド。これも当時のハヤリだったよねえ。


社会派の味付けもしてて、でも本質はグロ、人間の様々な醜悪な部分が出てきて、まあその一環として社会派もあるんだけども。
それが、(原作者の)森村誠一の流儀なんだろうな。
(『悪魔の飽食』ですっかりサヨクにされてるけど、この人のホントの興味はグロ趣味な気がする。保守が綺麗事大好きなのと対称的に、人のグロテスクな部分をさらけ出すことに熱心なんだと。政治的なものよりももっと人間の本質について)

当時はこういった、組織対個人の対立って図式が主流だった。それって民主主義や法治国家としての不完全さの現れなのかね。明文化された法よりも、軍や有力者といった物理的なチカラによる秩序が優先されていて、たとえそれがどんなに理不尽であっても従わざるを得なかった……
っても、あの時代でも日本はもう先進国の一角だったし、今現在と比べても無法がまかり通っていたわけでもなかろうけど。
むしろ鬱屈の捌け口として仮想敵を求めていたのかも知れない。


そういや、このなんだか古めかしい反体制なノリって、『相棒』にも通じる。
もっとスタイリッシュで現代的にしたのが『相棒』なのかも。


以下ネタバレ。

え、発端の大量虐殺って、病気のせいだったん。
(これもきっと津山事件が元ネタなんだろなあ)
お父さんの狂乱と娘の超能力って関係ないの?
主人公が自衛隊辞めた後保険屋になったのはナゼ?

大量殺人が、その後の展開にほとんど関係ないのが引っかかるんだよね。
単に二人の女と主人公の人生を変えただけで、別に、ヤクザや自衛隊とは関係ない。

主人公が少女に殺人犯として名指しされる下りは、絶望というよりも救いのようにも思えるんだが。
そもそも彼は彼女の記憶を取り戻したかったわけでしょ。それは当然、彼女の父の死にいたる経緯についても含まれるはずじゃん?
彼女に思い出して欲しかったのか欲しくなかったのか、ハッキリしない……
不器用な男ですから、じゃないヨー

主役の元自衛隊員で保険調査員の高倉健はこういう役にハマってる。彼が守ろうとする少女が薬師丸ひろ子。これがデビュー作ですってよ。
いたいけな少女を守るタフガイってのも一つの類型で、まあ青年マンガの王道パターンだけど、それって逆に青年マンガの読者達の“無力な自分を守ってほしい”て願望の表れなんだろうな……
くだんの“コワイ予告篇”って、ほとんどラストシーンなのねえ。あの映像の少女(薬師丸)てもう死んでるってのが本篇でわかっていちばんの衝撃。

主人公を殺人犯として追いかける刑事、夏八木勲。この刑事は法治主義の象徴なんだけど結局彼も無力。

さらに中野良子演じる新聞記者、彼女はまた政治絡みの陰謀の当事者で。
この作中でほとんど唯一の女性だけど、ヒロインてカンジがしない。
主人公は、彼女の姉の死に責任を感じて、彼女に近づこうとしたわけだ。でももう一人の少女のこと考えたら、近づかないほうがいいわけで。ここらへんも主人公がなに考えてんのかよくわからん。

強大なチカラにはかなわない、斧を振り上げても蟷螂は所詮踏み潰されるだけ、ってオチのつけかたはナンダカ納得いかん。
今だともちっとひねるよね。
いやむしろ、フィクションではバッドエンドだけど、現実ではもっとマシなエンドに至るべく攻略しようてメッセージなのかも知れん。
現実、映画の関係者はみんな、それぞれ大御所なんだし。
まあっ中でも一番の暴れん坊は制作者兼ちょい役の角川春樹カモだけどー。(特殊部隊の隊長役で出てたってさ)



一番のラスボスでワケわかんない権力持ってる親分は、三國連太郎。
そのロクデナシ息子で暴走族のヘッド、誰かと思ったら死ぬ間際でわかった……ええええ、舘ひろしだよこれ。うわー若いw
親分の下っ端のヤクザは梅宮辰夫だねえ。

他にも、松方弘樹だの丹波哲郎だのと、超豪華オールスターキャスト、つーかコワイ顔ばかりだ。
そういう中で三國連太郎が一見温和なジジィ然としてるだけにナオサラ迫力あるんだよな。
華猫 at 2011年10月25日 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2011年10月08日

[映画]サマーウォーズ

アニメとしてのデキはいいんだろうな……特に仮想空間のイメージとかさ。
よくうごくよなーと。
現実世界がロクに動きがないから、そのぶん、仮想空間の描写が活き活きしてる。

……でもこれって、『ウォーゲーム』2.0よね?
天才的ハッカー少年がネットで遊んでるうちに、米軍のコンピュータが暴走して地球がピ――ンチ、決着はゲームで、ってプロットはそのまんま。
それを21世紀の日本でリメイクした、てとこか。

『ウォーゲーム』って。
83年、まだまだパソコン黎明期、インターネットどころかようやく情報ハイウェイ構想が立ち上がった時代。
そんなとき、多くのパソコンオタクどもに夢を与えたのが、『ウォーゲーム』の映画だったわけ。
たかが高校生が、現実世界の権威をすっ飛ばして世界でも最重要のシステムにアクセスできちゃうって、魔法みたいな出来事が、電子機器で実現するっていう物語。
パソコンがもたらした“新しい世界”だったんだよ。

だけどねえ、『サマーウォーズ』にはそんな夢がない。
時代の流れとテクノロジーの進歩とノスタルジー修正を考慮しても、『ウォーゲーム』ほどの高揚感を覚えない。
(いや、『ウォーゲーム』、映画としてのデキは凡庸だと思うけど?ジョンバダム監督だし?主演だってマシュープロデリックだし?)

ウェイン町山こと町山智浩が。
『サマーウォーズ』、人間の側に悪人がいなくて、しかも主人公以外の人間はみんな公務員、つまり体制側の人間ってとこに違和感がある、てなことを書いてたようで(原文知らん)、ナルホド、と納得。

『ウォーゲーム』のときは冷戦まっただ中。
世界中の各国が東西陣営に分かれてて核兵器の相互確証破壊の傘で地球が覆われてた。
もし第三次世界大戦が始まったら全てが終わる、て暗黙の了解事項があった。当時の未来ものの映画ってそんなのばっかり。『博士の異常な愛情(ry』にしろ『渚にて』にしろ『マッドマックス』にしろ。
だから真の敵は、具体的な敵国ではなくて、戦争を始めようとする意志、人類の愚かしさだった。
冷戦時代の戦争は巨大な国家陣営同士だったから、(戦争を始めることによって世界を滅ぼそうとする)権力機構vs個人って対立構図があった。
『ウォーゲーム』のキモは、一介の高校生が電子機器と通信回線(と音響カプラ)を駆使して軍組織と対等以上に渡り合う点。(ウォークマンで電子ロック開けちゃうネタが特に強烈だったなあ)
映画の中で戦争を始めようとするのは政府や軍の人間ですらなくて、軍事コンピュータ。コンピュータはあくまでアルゴリズムに従って行動するだけ。ここにも悪意はないんだけども、強いていうなら、“戦争に勝たねばならない”って教えた人間の悪意と愚かしさを代行しただけ。
それが、主人公と○×ゲームの対戦をして、「勝者のいないゲームもある」「負けないためにはゲームを始めなければいい」て学習して、ヨカッタヨカッタになるわけだ。

……まてよ、もし、○×ゲームじゃなくて五目並べを始めちゃって、コンピュータが「先手必勝!」て学習してたら、人類オワタ\(^o^)/になってたんだよな。
ゲーム理論って大事ヨネ。
(軍のコンピュータが誤作動して一触即発なんて事故は、実は、リアルでもしばし起きてたらしいけどぉ)


『ウォーゲーム』で高校生が大きな力を持ち得たのはネットのおかげだけども、冷戦を終わらせたのも情報のネットワークなんだよね。
皮肉なことに、21世紀の、新たな戦争をつくったのもやっぱりネットワーク。もはや国土だの政治体制だのって形骸とは関係なく、人同士のネットワークが、テロ集団を作ったり、あるいはグローバル企業を作ったりって、かつては国家レベルの事業を行ってる。
その一方で世界の各所で繁栄から取り残された地域(アフガンやソマリアやその他)の存在にも気付いて疑問を持った人達もいた。


『サマーウォーズ』、結局、主人公達はなにと戦ってたのかがハッキリしないんだよな。
どこにも悪意がない。
しいていうなら、最大の敵は、あのボットを運用してた米軍なんだけども、じゃあなんのために米軍はそんなことしてたのか、とか、背景がよくわからんのよね。明快な敵がいないから
結局、なにが言いたいの、と。

OZの設定も無理があるよなあ……。
リアルの人間と密接に結びついてるアカウントを、なんで他人が所有したり賭の対象にできるわけよ?
しかもサーバーをクラッキングしてプログラムを書き換えたんじゃなくて、最初からそういう仕様に作られてるんだし。
(現実、オンラインサービスのアカハックだって、あくまでログインのIDとパスを盗むんであって、オンラインでアカをやり取りしてるわけじゃない。つーかユーザー間でアカウントのやり取りは禁止されてるのがフツー。だってアカとリアルの個人とが結びつけられてるんだから)
サーバーも、最後に、一方のプレイヤーにチートアイテムを賦与したりできるんなら、最初から“敵”ラブマシーンのアカウントを削除すればすむだけのハナシだし。
“デウス・エクス・マーキナ/Deus ex machina”、まんま原義通り“(オペラなんかで理不尽な決着をつける)機械仕掛けの神”じゃん。
ラブマシーンにしても、アカウント乗っ取ったりってクラッキングできるんなら、そもそもまともにゲームで勝負する必要もないし。

ネットをまるで万能の魔法の場のように描いてるのが、脳天気で、いかにも古くさい。
ネットが冷戦を終わらせたり、民主主義革命の発端になりながら、一方でテロや犯罪にも使われるって現実があるのに。
コンピュータやインターネットは人間の望む善悪とは別の理屈で動いてるし、それ故にラブマシーンも結果として悪になる。
なのになんでOZのサーバーは最後には人間のミカタになっちゃうわけ?

人同士の絆が大事、ってのが落とし所らしいけど、なんだかなあ;
ナニヲイマサラというか。それが良くも悪くも重要なのは大前提として、それを叩き台にしないと。
悪人が一切出てこないから、つながりの悪い面が描かれないでしょ?
だいたい、多くの犯罪って、悪意との絆で起きるんじゃん。

関係者がみんな公務員って設定は、人同士のネットワークが国家を形成してるってなメタファなんだろうけどさああ。
あと、あの一族の設定って、どーにも、あろひろしのマンガ思い出させるな……
華猫 at 2011年10月08日 21:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2011年09月19日

[抄・本]すばらしい人間部品産業

アンドリュー・キンブレル (著), 福岡 伸一 (翻訳)

いかにしてヒトがモノに変えられていったか、という歴史を辿った本。
著者は人権派の弁護士さんなようで、そのせいか、科学的にはちょ――っとアヤシイけども……
(哺乳類で処女生殖って、わりと最近、ネズミで“世界初”とか報道されてたから、ウサギや、20世紀の人間でも確認されてるって記述は都市伝説ぽいよなあ)

輸血から始まる臓器移植の歴史や、精子バンク、代理出産といった、“人体の商品化”の産業について。おおむね批判的に。
どうして献血が有料じゃなくてあくまで善意による提供なのか、というハナシは全体の枕にピッタリ。衛生面だけでなく、倫理的な理由も大きい。
有償で血液を売買する会社が、無償の血液バンクを、営業妨害だと訴えて、一度は裁判で勝っているってケースは、(皮肉で)さすがアメリカ。

特殊な抗原をもった血液が有料で売買されているというケースは微妙。一種の天賦の才能でもあるし、(研究用として)単なる輸血用血液よりか遙かに価値があるわけだし。


西洋で「動物に魂や感情や精神はない」と言いだしたのは、近代になって理性の時代以降という記述は、しょーじき、初めて知った。
西洋の伝統的な考えだと思ってたんだけども。
例えば、ギリシア神話でも、動物のほか、ニンフも、“魂のない存在”とされてる。
ただし、ここらでいう“魂”がどういう概念なのか、イマイチ、掴みにくいんだけども……生命活動はあるし感情もあるし、だけど、人間だけにはあって、その他の生き物にはないとされてる属性。
って、考えてみたら、古代ギリシア人なんて古代人の中ではズバ抜けて理性的、というか理屈屋な民族だったから、近代人と似たような思想だったかも知れませぬ。

別の本で読んだ……中世欧州では、動物も人間と同様に裁判にかけられたそうな。飼い主を殺した豚が殺人罪で処刑されたり(やっぱ焚刑かなあ)、やはり熊が殺人罪で捕まったけど当地の裁判の規則では陪審員は被告と同族の者から選ぶという決まりがあって誰も熊を12頭も集めてくるなんてできなかったので裁判できなくて釈放された、という逸話も。
だからその時代、人間と動物は、本質的な違いはないとされてた、と。

それが、近代、理性の時代になってから、動物は単に“動く物”であって精神や感情や魂を持たないとされた……と。
現代人からすると、なんとまあ人間中心で御都合主義な考えだろうと思っちゃうけどね。

中世の素朴な人間のほうが、近代人よりも動物愛護の精神に溢れててアニマルライツについても造詣が深かった――ってなことでは全然なくて、むしろ、正反対に、暗黒時代は人間のほうが動物に近くて、基本的人権もなく物理的なチカラと恐怖によって支配されてた、人間の魂さえ存在が不確かだったのかも知れない。
基本的人権そのものが、近代の産物だし。
逆にいえば、基本的人権の考えが発生したので、その権利の及ぶ範囲を明確にするために、人間を動物から聖別する必要があったのかも。社会が整備されて法治国家になっていったときに、“動物には魂がない”と定義しておけば、屠殺人が殺害の罪に問われずに済むし?
(西洋でいう)“魂”という概念自体も、人間を聖別するために考えられた、といえるのかもだ。

それから、人間の死体の利用もまたあって。
古来、割と近代まで、洋の東西を問わず、人肉は薬とされてた。中国や日本の例も有名だけど、西洋だって刑死人の死体を薬として売ってたり、もちょっとソフトなとこではミイラの薬もあったし。

伝統的な、薬食いとしての食人はオカルトだけど、現代の臓器移植や人体由来の薬は科学になる。
どちらも、人間の一部分(肉体か、人間全体か)を、元の人から切り離して、他人に分け与えることの出来るモノとして捉えてる。それが、物質的な肉体に限るのか、生命エネルギーだのてな胡乱な魔術的なチカラも含めるのかという違いだけで、根っこは同じ。


脳死という言葉自体が、臓器移植のために作り出された、という歴史も目から鱗。
人間の内臓が他人と交換可能な部品として認識されたときに、最後まで交換できない部分として脳が残り、だから、脳が死んだときを、人格の消失とみなすというわけだ。
それ以前は、単純に、心臓が停まったら死とされた。だけど人工心肺によって心臓を強制的に動かすことができるようになると、機械が動いてる限り人は死なないことになる、一方で新鮮な臓器を欲する人達がいる。そのために、脳死者は臓器の保存容器として生命活動を維持される……

それってちょうど、近代になって動物から魂が除かれたのと同じ流れじゃないかって気もする。
脳死とそうでないヒトの違いは、じゃあ、ナニヨ、と。
信仰によって脳死を死と認めない人達だって少なくもないし、てか日本の法律では別に、脳死=死とは決まってないそうだし。
脳死判定つーても、唯一絶対の基準があって機械的に決まるわけでもなく(腐乱死体は殆どの人が死んでるっていうだろうけど、心臓が動いて眠ってるようにしか見えない人を死んでるって言い切るのは難しいよね)、そもそも“死”とはなにかって、哲学的な問題になる。


人間の範囲というか、魂の宿る範囲の定義が、どんどん狭められているんだな、とふと思った。
歴史の流れと、理性化に従って。
ヒトからモノへと。
モノサシの端に“自分=ヒト”がいて反対側に“世界=モノ”がある、その間のどこかにある境界線が、どんどん、自分のほうに近付いてる、という図式。

それは、サブカルでも、サイバーパンクから「攻殻機動隊」「MATRIX」や「インセプション」といった、虚実の境界をテーマにした作品が、マニア向けの思考実験でなく、娯楽作品として定着していったのも同じ流れでしょー。


華猫 at 2011年09月19日 01:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ほん

2011年09月09日

[ホビー]カルトナージュ・作品

ケータイで撮ったんで写真がヘタレなのはご勘弁を。


初めて作ったのが、キットのバインダー。
厚紙と、バインダーの紙をとめる部分(プラ)が入ってて、表装の布などは自分で用意するようになってる。

内側部分、どこかの店の包装紙。裏打ちしないで貼りこんだらシワがっ
裏打ちの大切さがわかりますた。
(見えないけど)外側は緑と金のクリスマスみたいな布地。

小さいのはカードケース。




書類入れ。
大きい方でB5ギリギリのサイズ……ギリギリすぎて微妙に入らない;
美濃判の板目紙を半分にした、んだったかしら;
どっちも市販の包装紙だけど、小さいほうのはツヤのあるタイプの紙。これがまた、一見丈夫そうなのに、シワが寄りやすくて使いづらい;
クラフト紙(英字新聞風)は素直で扱いやすいですのー。



定番の多角形の箱。
……いやね、WEBでみてると、六角形や八角形、五角形あたりはよくみかけるんですヨ。
そこで敢えて、七角にしてみた。
だってーせっかくPCがあるんですもの、手で簡単に製図できる図形なんかツマンナイしー

1辺6センチでJwCADで製図。
Jwの操作はイマイチ慣れないのでDXFでCorelDRAWに移行。
(CorelDRAW、古い版のせいか、正多角形はプロットできないのよね;)
蓋も高さから計算して、台形のセグメントを製図。

箱本体の外側は和紙の千代紙。内側は障子紙。
蓋は薄い和紙の折り紙。
蓋の取っ手はボタン。



定番の花形鉢。
これもPCで作図。
右の白いほうを先に作ったんだけども花弁のカタチに納得いかず、左の作った。

右のほう。底の部分1辺5センチの正六角形から作図始めて、(側面からみて)花弁の角度60度、花弁の曲線の部分が180度の半円……て具合。
内側に貼ったのは和紙のプリンタ用紙。
んーいわゆる“お上品な”、自己主張の弱い模様は、表装に向かないと悟った……

左のは底のサイズは同じ、で、花弁の角度を45度、曲線は120度の円弧。
カタチはいいけど、浅いので、上から撮ると下の模様がほとんど見えなくなるから、ひっくり返して撮影。
内側は黒一色の布貼りだし。

どっちも底の中心から辺までの距離と、花弁の高さ(底辺から円弧の頂まで)が同じ長さになってる、はず。



ティバッグケース。
単純な直方体の箱なので、特に製図も要らず。


蓋に窓を開けてプラ板(プラ板工作用に売ってるやつ)を両面テープで貼り付け。
ん――窓の部分の内側の切り口の処理にまだ慣れてませんのー。

蓋は薄いポリエステル布地で、これがまたエライ扱いにくいの;
薄いので下地が完全に透けるしボンドは染みるし。
アイロン接着式の障子紙で裏打ちして、さらに黒い画用紙を貼ってる。
本体の表装はシール式の壁紙。
蝶番の部分は、やはり障子紙を二重に――ちょい強度が不安かのー。(2倍の強度を謳ってる紙だけどー)
中の仕切り板は後から仮に入れてるだけ。仕切り用という他に、もっっっと重要な役割があるんだけどヒミツ。



宝箱。
雰囲気を出すために、蓋は曲面じゃなくて、短冊状に細長く切ったのをつなぎ合わせた(でも上から表装しちゃうと分かりづらいね)
側面の楕円を描いて、半楕円を中心角で12等分して、周の短冊の幅を計算(CorelDRAWが)して――と、蓋のほうが本体よりずっと手間かかった;


内部。留め具着けるまえに撮ったもの。
写真がアレなのは(ry
本体、内側を外より5ミリほど高くした。
最初、それを忘れて蓋を作ったら、蓋が閉まらなくなった;
で、本体の内側を作り直した;



サカナ箱。
製図はPC使って簡単だったけども、むしろ、組み立てがタイヘンだった……
2ミリ厚の板紙をキレイに曲げるのがまず厄介で、さらにそれをガッチリ固定するのも厄介。
外形組んだ時点で、元の製図からけっこーずれてるんで、実物から線を引き直して、ちまちま微調整しつつ、表装。
蓋の部分はパンヤがわりにクッションシート詰めてみた……ら詰めすぎてなんだか針山ぽくなってしまった;
本体の内側はフェルトを貼りこんでみました。
シッポの部分、最初はフラップ式の蓋の小物入れにしようと思ったけど、カタチを維持するために固定した。鼻先も同じ理由。
華猫 at 2011年09月09日 13:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホビー

[ホビー]カルトナージュ・素材篇

親が手芸用のハギレだの千代紙だのを買い込んで放置してあったのでイタダキ。
親が包装紙を捨てずにとってあるんでこれもイタダキ。

■板紙
教本やWEBをみると、おふらんす製のカルトンとか申す厚紙や、(カルトナージュ用の)ボール紙だのと書かれてるけど、もっとお手軽な素材を探してみた。
素体の骨格で、強度が最重要なので、事務用の板目紙を買って来て、貼り合わせることに。他にも画用紙の台紙とか。なんかの容器のボール紙とか。
厚さ2ミリ(大きめの作品だと3ミリとかかね)くらい要るので、450kg・0.65ミリの板ボールなら3枚。
ハケで薄目のボンドを全面に塗って、貼り合わせて乾燥させて、まあ絶対に反るので、辞書なんかでプレス。アイロンがけも有効かも。
段ボールはどうだろう。使ったことないけど。
きっちり製図しておくと、紙の切り出しもムダなく使えるっす。
2ミリ厚の板紙を切るのはけっこー厄介なので、むしろ、合板するまえに同じ板を3枚切り抜いてから貼り合わせたほうが楽かのー。
あと、パーツ切り抜いたあとの破片も、細かいパーツ作るのに使えるので、貧乏性としてはなかなか捨てられない;

■裏打ち用紙、ケント紙、色画用紙、障子紙、パンヤ
表装に繊細な包装紙や布を使うので、裏面に丈夫なケント紙などを貼って補強する、この作業を裏打ちつーわけですよ。
布地は布目を通して接着剤が表に染みてくるので、それを防ぐためにも。
薄い表皮を貼るときには表から透けて見えることもあるので、不透明なケント紙や色画用紙で素体を隠す。
布地の裏打ちをするのに、アイロン接着タイプの障子紙がナニゲに便利。薄さのわりに丈夫、模様のある障子紙なら表皮にもできるし。
パンヤの代わりに(包装材の)クッションシート使ってみると、これはこれでいいかも。

■表皮(外、内)
これ一つで作品への評価が変わる、最重要なパーツですわよ。布でも紙でも、好きなものを、己の信念とセンスに従って貼りこむがよい。
ハギレ、レターペーパー、包装紙……
中と外のコーディネートが重要……だけどこーゆーセンスが致命的にないワタシ。WEBでプロの人の作品みると、すごいやね。
ものによって素材の性質が大きく違うので、いろいろ注意。
・布はアイロンがけ必須で。
・基本、布地は裏打ちが必須。厚めの布でも、予想外にシミてくる。あとカッティングのしやすさ。
・薄い紙は破れやすいし透けやすいんで裏打ち必須。
・布は破れにくいけどコシがないのと、接着剤が表にシミ易いんでやっぱり裏打ち必須。
・きれいに貼りこむには、それなりのテクニックが必要。
・ボンドがつきにくい素材(合皮とかポリエチレンとか)もあるので、それに応じた接着方法も考えねば。
・基本、紙や布の切り口は見せない。裏に折り込む。ただしフェルトなんかは別。
・厚紙に薄い素材を貼りこむときは基本、厚いほうに接着剤を塗る。薄いほうがシワに鳴りやすいから。

■プラ板、ボタン、レース、その他、装飾用。
プラ板は窓の部分に。貼りこむときには両面テープが便利。ボンドはつきにくいし。

プラ素材がメインなら、プラ専用の接着剤使ってもいいかも?
華猫 at 2011年09月09日 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホビー

2011年09月08日

[ホビー]カルトナージュ・道具篇

家中探すと結構、道具が揃ったっ。
基本は、ペーパークラフトと同じ。

道具(■必須、○消耗品、□あれば便利)

・製図、カット
■カッター、○カッターの替え刃、■カッターマット、□デザインナイフ(トーンカッター)と替え刃、□大型カッター・切りだしナイフ
……意外と知らない人が多くて、しばしビックリなんだけども、カッターの刃は消耗品なんですぉ。
刃先をじっと見て、先が折れてるのが目視できたら折るくらいで。切れない刃は無駄にチカラをかけたくなったりするので、かえって危険。
■直線定木いくつか
15センチくらいで小回りの利くの、30センチ以上の長いの、金属製(長いの)。方眼定木の方眼は、あんまり、アテにならないんで必須でもない。
基本、アクリル定木は製図用、金属製でカッティング……でもカッターがよく切れるならアクリル定木でカッティングしても、おおむね、大丈夫(たまに大丈夫じゃない)
念のため。物差しのこと、ジョウギは、“定木”の表記が正しいんですぉ。慣用で“定規”って書かれるけど、“規”の字はコンパスの意味なので、ホントは“直線定規”なんてイミフ。ものさしとコンパスを合わせて計測のことを“規矩”といったり。
■筆記用具(シャーペンか鉛筆、消しゴム)
鉛筆は製図用に先を尖らせる。平たい“のみ型”に削るのも手。
鉄則は“最終的に表面に見える部分には線を引かない”。素体の部分はいいけど、薄紙で装丁すると紙の裏に線を引いても透けて見えたりするので注意。
■ハサミ大小
大きな裁ちバサミと、先の小さい細工用
紙用と布用は分けたほうがいいらしい。
□パソコン
いやまあ、コンパスや雲形定規で手書きで製図してもいいんすけども、メンドイんでPC始めますた。
Win使いなので。使用ソフトはJwCADとCorelDRAW。
プリンタでフリーサイズのラベル用紙に印刷して、素体となる板紙や表皮の裏に貼りこむの。
□目打ち、千枚通し、鉄筆……まあ単に元から持ってたんですけども。たまに使う。
ペーパークラフトと違って、厚紙を“折り曲げる”工程はないので、印付けの用途が主。

・組み立て、裏打ち、装丁
○木工用ボンド……速乾タイプじゃないほうが吉。事務用の糊は強度がダメすぎ。百均のは割高なんで、大瓶の買ったほうが吉。
ボンドはそのままだと使いづらいんで水で薄める。広い面積や裏打ちのときは薄め(水とボンドを1:1くらい)、細かいところは濃いめに。
デンプン糊混ぜて使うって技法が一般的みたいだけど、確実に乾燥後の強度落ちるんで、むしろ水だけで薄めたほうがいいかも?
□ピンセット
■筆、ハケ、糊容器、トレイ
ナイロン絵筆と、障子貼り用のハケ。トレイは百均のステンレスのバケット。
筆が乾燥しかけたら水かぬるま湯でよく洗うこと。石鹸使うのも可。
この糊容器はホムセンで塗料用のポリ容器(蓋付き)見つけた。蓋しとけば数日間はボンドを乾燥させずにもたせられる。
○水貼テープ、○製本用紙テープ、○両面テープ
ガムテープやビニールテープは使われないような。他の素材と相性が悪いんで。
水貼テープって、美術系以外では知られてないかも?紙テープだけど片面に水溶性の糊がついてて、水で濡らすと粘着テープになるやつ。乾燥するまでは貼りなおしが自由で、乾いてくるとかなり強力になるという。しかも紙なので上から他のものを接着しやすい。
製本用紙テープも同様。紙テープってのがミソ。ただし粘着力は弱いので、これだけで構造体を作るのはキツい。ボンドや水貼テープで補強が必要に。
両面テープはたまに。イマイチ接着力に信用性がないっす。チカラのかからないパーツ、プラ板なんかの接着に。
■ヘラ
ホムセンの塗料コーナーでいろいろ売ってる。たいらで、ある程度の強度(と多少の柔軟性)があればいいので、定木で代用してたり。
■アイロン
布地を使うときは必ずアイロンがけしてから。じゃないと後々確実に後悔する……!(たぶん
あと、アイロン接着タイプの裏打ちとか、完成後になんだかシワがよってる(つw`、なんてときにもアイロンが大活躍。
(ボンドは熱と水気に弱いので)
■手ふき用の濡タオル
接着剤とかで手が汚れたときはすぐに拭いたほうが吉。



鳥の形をしたハサミ、よく切れて先端が細いんでスゲー重宝。
シャーペン2本は、0.5と0.3。……別に使い分けしてるわけじゃなくて単にペンケースに入ってたので並べてみた。


使い込んだカッターマット……10年物かしら;
青い芯のテープは、これ、マスキングテープなんだけど、これも古いんで粘着力が弱っててほっとんど使い物になりませんですわよ;


黒いのが水張テープ。とにかく水気、湿気に弱いんで、チャック付きの袋が必須。
上の巻紙は、障子紙。
華猫 at 2011年09月08日 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホビー

[ホビー]カルトナージュはじめますた

最近、ハマってるカルトナージュについて、語ってみる。

あくまで素人が見様見真似でやってる、別に教室通ったりしてるワケでもない、って立ち位置で。
だからプロの人とは作業手順とか違うだろうし。

要は厚紙細工なんすけどね。
いわゆるペーパークラフト、ヤマハやキヤノンやエプソンやサンワやその他諸々のサイトで展開図DLして印刷して組み立てたりするやつ、と違うのは、実用性と装飾性。
ペーパークラフトが理系でオタクなホビーだとすると、カルトナージュは文系かつスイーツなクラフト。
まあ実際の作業は、地道な手工芸なんですけども。

カルトナージュ(cartonage)なんて、おフランス語な時点でスイーツな香りが。
cartonを英語で読んでカートン、(昔の)タバコや、高級なお菓子なんかの、厚紙で造られた箱。
美術系にオナジミの、画用紙を挟んでおく大きなポートフォリオ兼画板のことをカルトンとかいったりしますが、あれも厚紙製の、いわゆるカートン。
いちばん目に付くのはハードカバーの本のガワ部分かも〜


最初は、ポートフォリオが欲しかっただけなんすけどね……
B5の入るサイズで、ハードケースで、……ってのを探して文具屋だの行ってみたけど、なかなか欲しいのがないのですよ。リロ&スティッチがついてたり。
そしたらユザワヤの文具コーナーの隣で特価品のカルトナージュ初心者キットのバインダーが売ってて、ああ、こういうのなら自分で作れるじゃーん、と。

ホビーコーナーでカルトナージュの入門書を立ち読みして、だいたいの手順は憶えた!

早速、家捜しして、道具と材料を掻き集める。
……基本の道具はおおむね揃ったっ。材料もなんとか。


基本は、厚紙でボディ/素体を組み立てて、表面を装丁・装飾する。

厚紙つーても。カルトナージュで使うのは、2ミリ〜3ミリ厚のボール紙、というかボードというか。
どうせ表面は装丁しちゃうんで、ケント紙のイラストボードなんてお高いのでなく、灰ボールとかでも可。
つってもこれくらい厚いのは、あんまり身近にないんで、板目紙(書類の表紙用の)や画用紙の補強用に入ってる厚紙を2・3枚貼り合わせて使ってみる。(反りやすいけどなんとかなる)
段ボールはどうだろう。
本場おふらんすだと、専用のカルトン紙(軽くて丈夫だそうな)なんてのもあるそーだけど、日本じゃ輸入品になるのでエライ高いらしい……
華猫 at 2011年09月08日 14:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2011年09月04日

[映画]ミッドナイトミートトレイン

クライヴバーカーの短篇の映画化。
私が読んだの、中学のころでしたわヨ。深夜の地下鉄へのトラウマに。(日野日出士の作品に似てるかもね)
映画化されてたことすら存じませんでしたが。
しかも監督は北村龍平、の、ハリウッドデビュー作だそうで。

原作が原作だけに、期待しないで観たら、けっこう面白かった。
原作の雰囲気を巧く表現してるというかー。
まあ……万人にオススメな映画ではないけども。

タイトル、原作から"Midnight meat train"だし、確か最初に邦訳出たときは直訳で「真夜中の人肉列車」だったし。

ダークでシックな色調や、外連を抑えた演出とか、出てくるの悪人面ばかりとか。
ヨーロッパ系の、特にスペイン語圏の映画の雰囲気っぽい。日本の監督にしては珍しい画面、と思うと、単に予算の問題かも知れませぬが。

原作はワンアイデアの短篇だけど、それを巧くふくらませてキャラも増やしてる。
いくらアメリカの都会の深夜の治安が悪かろうと、いきなり無差別大量殺人が始まっちゃうわけもない……よね?よね?

都会に疲れた主人公が、とんでもない非日常に遭遇して、この世の真の姿を知ってしまい、“あっち側”に行ってしまう――ってプロットはごくごくアリキタリな現実逃避の物語。
超能力とか特殊能力とかが出てくるわけでもなく、細部の描写はあくまで現実的。

いかにも卑俗で扇情的なタイトルやエログロ描写にも関わらず、中盤以降は神秘的な、神聖さすら漂ってくる。
謎を完全には明かさないのもミソ。
物語の類型としては、まんま“地底人”なんだけども、侵略されてるわけでもなく。ごくごく密かに毎夜、人々が惨殺されてるというだけ。それも“都会の失踪者”のうちでしかない。
ラストは、ハッピーエンドだし。
生きる意味を見失ってた主人公が、自分の居場所を見つけるんだし。
(原作には出てこない)彼女や友人すら、もう、どうでもよくなっちゃうし。
都会の孤独、自分探しがテーマ、と言っちゃうと、省略しすぎか。


あの延々と続くバトルはどうなんだろう(笑)
北村監督の趣味なんだろうけど。間違っても原作にはなかったシーン。
ここでも、徹底して、ふつーの肉弾戦で、超能力もカンフーも出てこない、銃も触手もない。主人公と大男が、肉切りナイフと肉用ハンマーで戦ってるだけだし。


ところであのプロデューサーの女性って、ブルックシールズよね。なんか……映画のデキ自体はいいんだけど、かつての美少女アイドルがスプラッタ映画に出てるって時点で、落ちぶれたつーカンジがしなくもない。
華猫 at 2011年09月04日 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2011年08月22日

[本]ヤバい経済学

最近、映画にもなったし、ちょっとキョーミあった本。
Amazon.co.jp: ヤバい経済学 [増補改訂版]: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー, 望月衛: 本

経済学者なんて、実のところ、物理学者よりも、あんまり世間に知られてない気がするし?
せいぜいマンデルブロとか。ノーベル賞とイグノーベル賞のダブル受賞したクルーグマンとか。
ドラッグビジネスだとか大相撲の八百長問題(もちろん日本の)だとか中絶問題だとか、センセーショナルなネタを取り上げてるあたりがキャッチーで、成功しているようだ。

タイトルの「ヤバい」、危険の意味のヤバいなのか、すげーの意味のヤバいなのか。
原題は“Freakonomics”、真っ先に浮かんじゃうのが「Freaks」だとかフリークショウみたいな、奇形だの異常だの風変わりだのというニュアンス。
しかしそれを“ヤバい”と訳しちゃうのはヘンだから、動詞の“興奮する”“怯える”、更には、他動詞で、イライラさせるとか脅えさせる、みたいなニュアンスになるのかな。

「物の値段は突き詰めれば全て人件費」ていうとおり、経済学は結局は、人の心の動き、損得勘定なわけだから。

この著者の卓抜したとこは、一見、難しくてややこしそうな問題を分析する手法を思いつく点にあって。
こういう手法が(経済学の業界内で)一般的なのかどうかはわからないけど。
調査対象の人々になりきって利己的なアルゴリズムを考える、というのか。


(アメリカの)全国一斉学力テストで、不正が行われているらしい。
テストの性格からして生徒がカンニングをしてもそれほど得はしない、むしろ教師の利益になる、としたら教師が自分のクラスの得点を上げるためにどうするか……
で、クラス全体の、解答用紙上での解答の分布に注目する、というのが面白い。
簡単な問題を間違える生徒が、一番難しい問題に正解する、1人2人ならマグレであるだろうけど5人6人が同じ解答をしてる、しかも他の問題についても揃って似たような正誤のパターンを見せるのはイカニモ怪しい、後で教師が解答用紙を修正してる可能性が高い、という結論は鮮やか。
で、不正をするような教師に教わってるからクラス全体の得点が平均より悪いのも無理はない、て余録には笑っちゃう。
つまりその教師には教師の資格がなかったということで――最終的にそんな教師達がクビになったりしたそうだけど。

ベーグル屋のハナシも面白い。
ある銀行マンの自家製ベーグルが絶品と評判だったので、とうとう、オフィス街でベーグルの宅配屋を始めたのだそうな。朝、オフィスにベーグル(とクリームチーズ)と代金を入れる箱を届けて夕方に回収する、というシステム。
代金をきちんと払うかどうかは、紳士協定だけど、もともと銀行マンだからキッチリ会計はつけてる。
で、一流企業ほど代金の回収率がよい、というのは、さもありなん。
それに、ベーグルって、クリームチーズつけて食べるものなんだなあとも。

そういう文化の違いもあって、大相撲についての解析結果も面白い。統計から出た結論は明らかに八百長があったと。
……まあ八百長も含めて大相撲の伝統文化だし?(笑)

彼が繰り返すのは、“インセンティブ”という言葉。誘因とか、報奨、動機……「人に、ある行為をさせる心の動き」というニュアンスなのか。
そのインセンティブに注目して、じゃあ実際にどういう行動をして、それがどういう風に現実に影響を与えたのか、ということを予測し、現実の結果(解答用紙とか、星取り表とか)から検証していく。


ドラッグの売人が、すっかり会社組織になってて、高級車乗り回してるような「絵に描いたような」売人はごく一部の幹部だけ……て、このへん、日本の暴力団なんかも似たような構造なんだろうなあ。一番下っ端のチンピラは上納金払ってまで、組織とつながりを保とうとする、なんてのも。
このドラッグ組織についての章は、社会学者のスディール・ヴェンカテッシュの潜入取材が元になってる。ヴェンカテッシュはこの本の後、『ヤバい社会学』を書いてる。
ちなみにヴェンカテッシュて馴染みのない名前からわかるとおり、彼はインド系だそうで、“黒人でも白人でもない”てポイントが潜入取材の利点になってたりするんだろな。


この本が話題になるとき、いちばん大きく目立つように取り上げられるのが、犯罪発生率の低下と中絶の関係について、ダヨネー。
端的にいえば、レヴィットの結論によれば、80年代以降でアメリカの犯罪発生率を低下させた最大の要因は中絶の合法化、だと。
これはとってもナイーヴな研究結果で、同業者からの反論も多くて、(宣伝文句でいわれるほどには)定説になってるわけではないぽい。(東スポの見出しみたいなもんだよ。よく見るとクエスチョンマークがついてるぉ)
優生学にも通じるような、一見、ショッキングな結果だけども、考えてみれば、ソモソモ、産児制限の最大の理由は経済的な問題なんだから、そんなに意外でもない。
逆に、まるきり意外でもないからこそ、ハッキリと言ってしまったことに衝撃を受けた人が大勢だったのかも知れない。

もしかすると、レヴィット自身の子供が夭逝したことが、そういうペシミスティックな結論を出すに至った理由の一つなのかも知れない。

で。カンチガイしちゃいかんのは。
(レヴィットの論が正しいとしても)あくまで、結果論をいってるだけで、“これから”犯罪を減らすために中絶を推進しましょう、ってわけじゃない。
犯罪を減らした要因は他にもいくらでもあって、中絶と同じくらい強調されてるのは警察官の増員と、スラム街の環境改善(住人の教育水準を上げたり仕事を与えたり)。
でも、警察官を増やすにしても、スラム街の環境改善にしても、莫大な税金を投じる必要がある。

それって、犯罪を減らすために、社会という共同体が支払うべきコストを、中絶というカタチで個人に転嫁してるってことだよね。
犯罪が減ることによる利益は、社会全体が享受するのに。

社会をすごく単純化してるのは確か。
犯罪は貧しい人達が金銭目的で起こすもの、中絶は貧困層の問題、……と。


んー
作者は、社会的にどーとかっていいたいわけじゃないらしい。
主眼はあくまで、解析手法の開発で、それの実践例として、いくつもの刺激的なネタを挙げてるにすぎないんだよね。
その点では、一般人への刺激という以上の内容にはなってないような?
面白いことは面白いけども。
華猫 at 2011年08月22日 01:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ほん